医学誌「Arts in Psychotherapy(精神療法におけるアート)」に2月、イスラエル・ハイファHaifa大学のRachel Lev-Wiesel氏らが行った、摂食障害についての研究結果が掲載されていました。
どういう研究かというと、摂食障害である神経性食欲不振症(拒食症)と神経性大食症(過食症)の女性たちと、摂食障害のない女性たちに自画像を描いてもらったところ、摂食障害の診断に有用な傾向が顕著に現れたというものです。
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これらの女性達に描いてもらった自画像を分類してみると、
ゝ饋症または過食症の女性は自分の首をより太く描くか、途中までしか描かない、もしくは首を描かない
拒食症または過食症の女性は口を強調して描く
摂食障害は大腿部を太く描くことが多い
だ歐障害は足を描かない、もしくは途中までしか描かない
サ饋症は過食症の女性に比べて自画像に胸部を描かない、ボディラインが不明瞭、小さな絵を描く
などの傾向が出たそうです。
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通常、摂食障害の女性は他の心の病気(対人恐怖症、高所恐怖症 、あがり症、広場恐怖症、強迫性障害などの不安障害)の人よりも、セラピスト・カウンセラーに対してであっても心を開かず、隠そうとする傾向が非常に強いです。
そのため摂食障害の疑いが見られても、結論付けた診断を躊躇う場合もあるようで、今回の研究報告のように自画像を描いてもらうことによって、摂食障害をより間違いなく診断できるということです。
絵を描くというのは、心理療法の中でも重要な治療法方法です。
言葉にはうまく説明できないけれども絵に描くと、それを表現することができるというのが多いです。
絵は口ほどに物を云うというか、驚くほど無意識に自分の心の中のことを表に出せるのです。
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絵画療法を受けた患者はカウンセラーに「どうしてそんなことが分かるの?」と不思議に思うようですよ。
アートセラピスト(絵画療法士)という専門家がいるように、絵を診断や治療に使う役割は非常に大きいと思います。
うつ病治療などにも箱庭療法やコラージュ療法などの芸術療法が用いられます。
絵は描くだけでストレスが発散できるし、心の浄化作用もあります。
例えば何か心に「怒り」の感情を持っていたとして、それを大声に出したり、行動に表したりすることが憚られる時、溜めてしまうのではなく、大きな紙の上に赤いクレヨンで太陽が爆発した絵を描くとスッキリするものです。
実際に絵を書くことで摂食障害や不眠症などが治療できた例はたくさんあります。
絵画療法はかなり以前から有効な心理療法とされ、摂食障害と絵画療法の関係についても研究されてきました。
私は読んでいませんが、札幌学院大学人文学部臨床心理学科教授の寺沢英理子氏が99年に「摂食障害例に対する絵画療法としての「再構成法」の試み」という論文を発表されています。
ハイファ大学のRachel Lev-Wiesel氏らの行った研究結果も、それほど驚くべきことではないかもしれませんが、またひとつ絵画療法の有効性を裏付けられたということになるでしょうか。
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